脇本八幡神社奉納演武

戦国大名の肝付氏、その筆頭家老で、野太刀自顕流の祖である薬丸湖雲(兼将)公をお祀りする宮崎県日南市南郷町脇本の八幡神社で例大祭が執り行われました。

歴史を辿ると、戦国後期、島津氏傘下に入った肝付氏は、島津家に疑いをかけられ苦渋の決断を迫られます。そして、親戚関係でもあった飫肥の伊東氏と志布志にて合議します。

その上で偽戦(無矢・無鉄砲)をしたにも関わらず、南郷(津屋野)で、野太刀の名手で大将の薬丸湖雲公はじめ肝付の武士達300数名が無念の死を遂げた地なのです。

薬丸湖雲公末裔の御子孫さまや地域の皆様に見守られるなか、慰霊のために、抜き、立木打ち、掛かり、長木刀、相対抜き、打ち廻りの技を御神前へ奉納させていただきました。

大隅の郷土史家も見えられ、なぜ、薬丸湖雲公が、内之浦と串間地頭を任されていたのか、そして野太刀自顕流のルーツなど興味深い話しを伺うことができました。

ユス10㎏の打棒で立木打ち
ユス10㎏の打棒で立木打ち

雨の降りしきる中、地面は、雨で田んぼのようにぬかるみ、滑り、転び、泥だらけになりながらの演武になりました。

華麗に披露する演武とは一線を画くし、当流らしく実戦さながらの武骨な野太刀の技を奉納できたかと感じています。

相対抜き
相対抜き

何よりも、この剣術は元々、伴姓肝付家の剣技であり、その一族でもある薬丸家が近代まで脈々と大切に継承してきたものです。

 

少なくとも、私たちのおこないや熱い想いは、大神様々にお伝えできたかのではないかと思います。

雨により泥沼化した境内で打ち廻りの技を披露
雨により泥沼化した境内で打ち廻りの技を披露